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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(オ)1291号 判決 1955年4月05日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人石川浅の上告理由第一点について。

論旨は違憲をいうけれども、その実質は単に民法の解釈適用を争い、判例違反を主張するに帰着する。しかし原審の確定した事実関係によれば、被上告人の借地権は罹災都市借地借家臨時処理法一〇条により第三者に対抗できるものであることが明らかである。そうしてかかる賃借権に基いて第三者に対し建物の収去土地の明渡を請求し得ること、当裁判所の判例(昭和二七年(オ)八八三号同二八年一二月一八日第二小法廷判決、昭和二七年(オ)三〇六号同二九年六月一七日第一小法廷判決等)の示すとおりであるから、原判決には所論のような違法はない。論旨援用の判例は本件に適切でないことおのずから明らかである。

同第二点について。

論旨は違憲をいうが、その実質は単に訴訟法の解釈適用を争うに帰着し、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二十五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主眼を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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